エネルギー関連商品

地域流動性支援ファシリティ(RLSF)

RLSFは、再生可能エネルギーを使用した独立発電事業者(IPP)に対して、事業者が国営電力会社に売電した際にATIDIが売電料金の支払保証を提供するものです。

 

RLSFは、ATIDI加盟国における再生可能エネルギープロジェクトへの支援を通じて、気候変動に対処し、投資を誘致するために創設されました。RLSFは、対象案件の設備容量の上限を100メガワットとし、中小規模の再生可能エネルギー事業(大規模プロジェクトについてもケースバイケースで検討可能)における、オフテイカー(公的セクター)の支払遅延に対するリスクをカバーします。プロジェクトのバンカビリティ向上とファイナンスクローズに至る案件の増加に貢献します。

RLSFは2017年にドイツ復興金融公庫開発銀行(KfW Development Bank)とATIDIの共同で創設されました。2022年2月にはノルウェー開発協力局(The Norwegian Agency for Development Cooperation, Norad)からの追加支援も受けています。

ATIDIと覚書(MoU)に署名したATIDI加盟国に所在する発電事業体は、RLSFを利用することが可能です。

対象案件

以下の条件を満たす場合に付保可能:

  • 発電事業者がATIDI加盟国又は、非加盟国である場合にはATIDIが必要な契約を当該国政府と結ぶことができる国に所在していること。
  • 対象プロジェクトは最大で100MWのもの。それ以上の大規模プロジェクトについてはケースバイケースで検討可能。
  • 太陽光発電、水力発電、陸上風力発電、地熱発電、バイオマス発電、コンジェネレーション
  • 事業対象国政府及び電力会社から十分なサポートを受けられること。

カバー対象国

本商品においては事業国政府からの支援が必要不可欠であり、支払遅延が発生した際に延滞が適切なタイミングで解消されうるとATIDIが判断できた国でのみ、RLSFを実施可能です。詳細は以下の通りです。

  • ATIDI加盟国のうちATIDIと中央政府及びオフテイカー間の関係が構築されている国。ATIDIは加盟国政府との協定において紛争解決方法を定めており、加盟国に対して優先的に債権回収可能なPreferred Creditor Status(PCS)を有しています。
  • ATIDI非加盟国の中でも、ATIDIが上記と同様な関係性を構築可能な国。
  • 現時点で、ATIDIとRLSFに関する覚書(MoU)を締結している国は、ベナン、ブルンジ、コートジボワール、エチオピア、ガーナ、ケニア、マダガスカル、マラウィ、トーゴ、チュニジア、ウガンダ及びザンビアです。

よくあるご質問(FAQ)

RLSFの構造変更のきっかけは何ですか?

RLSFが最初に設立された時点では、利用可能な資金総額は6,320万ユーロであり、KfWからの現金担保とATIDIによるオンデマンド保証がそれぞれ半分を構成していました。フェーズ1では、この6,320万ユーロが信用状(LC)発行銀行の担保として使用され、同銀行が5つのプロジェクトに対してスタンバイ信用状(SBLC)を提供しました。

2022年に、NoradがRLSFに対して5億NOK(約5,600万米ドル)の追加資金を拠出したことで、RLSFの資金能力は倍以上に拡大しました。

2022年の追加資金と、2017年のRLSF開始以来得られた経験により、ATIDIは製品の改善方法を模索するようになりました。主な変更点は以下の通りです。

1.ATIDIがLC発行銀行を介さず、直接IPPに保証を提供します。

2.LC発行銀行が現在請求している手数料が不要になることで、IPPにかかる費用が削減されます。フェーズ1と比較して最大50bpsの価格引下げが見込まれます。

3.RLSFの契約構造が簡素化され、ATIDI流動性支援契約がATIDIと各IPPとの間で締結されます。これはフェーズ1で使用された利用条件契約(ToUA)およびスタンバイ信用状(SBLC)に代わるものです。

4.ATIDIが直接保証を発行することで、RLSFのポリシーはS&Pの「A Stable」、Moody’sの「A3」というATIDIの格付けの恩恵を受けます。これにより、銀行が登録されている国のソブリン格付けが上限でなくなります。(例:Absa South Africaの信用格付けは通常、南アフリカのソブリン格付けにより上限が設定されています)。

RLSFのカバー対象となるプロジェクトの適格基準に変更はありますか?

従来、RLSFは50MW未満の再生可能エネルギープロジェクトに対してカバーを提供するように設計されていました。フェーズ2では最大100MWまでのプロジェクトがカバー対象となっており、さらに大規模なプロジェクトについては、個別に検討して、引受可否を検討します。

RLSFのカバーを受けられるホスト国はどこですか?

RLSFのMoUをATIDIと締結している国でのプロジェクトが、RLSFのカバーを受けることができます。

現時点でRLSF MoUに署名している国は、ベナン、ブルンジ、コートジボワール、エチオピア、ガーナ、ケニア、マダガスカル、マラウイ、トーゴ、チュニジア、ウガンダ、ザンビアです。

公的なオフテイカーによる未払いリスク以外に、どのようなリスクがRLSFによりカバーされますか?

他にカバーしているリスクはありません。RLSFは、国営電力会社による未払いリスクのみをカバーします。一方、ATIDIおよびその他ステークホルダー間で、カバー範囲を拡大する可能性について検討を進めています。

RLSFではどれくらいの請求がカバー対象になりますか?

フェーズ1では、契約期間が最大10年で、6か月分までの未払いにカバーが限定されていました。フェーズ2では、契約期間が最大15年で、最大12か月分の収益(請求)がカバー対象となります。ATIDIによる実際のカバー内容は、国、セクター、プロジェクトの評価に基づいて決定されます。

RLSFにおけるカバー率はどれくらいですか?

カバー率は最大で100%まで設定いただけます。

請求後、待機期間はどれくらいになりますか?
  • フェーズ1でカバーされているプロジェクトの場合:14暦日
  • フェーズ2でカバーされているプロジェクトの場合:30暦日

プロジェクト会社は年間に何件までカバーを請求できますか?

プロジェクト会社は、年間最大3回まで請求することができます。ただ、各カバーは1枚の請求書に限定されるわけではなく、カバー対象となる全額に対して請求することが可能です

RLSFは契約期間中、どのように機能しますか?

保険金が支払われると、ATIDIは国営電力会社およびホスト国の財務省に連絡し、支払った金額の返済を求めます。財務省または電力会社のいずれかから返済が行われると、ATIDIはRLSFのカバー枠を再設定し、年内または翌年以降に再度、カバーを受けることを可能にします(ただし、カバー回数の制限は適用されます)。

RLSFが適用される前にどの程度のデューデリジェンスが必要ですか?

ATIDIの引受プロセスは、特に環境・社会影響評価に関して、他の国際機関と整合性が取られています。デューデリジェンスの開始から、(i) ATIDI経営陣 及び(ii) RLSF運営委員会による承認までの期間は、すべての必要情報が提供されている場合、最短4〜6週間です。

RLSFは、非常危険をカバーする保険と併用できますか?

はい、RLSFは非常危険をカバーする保険と併用することが可能です。同保険は、ATIDIまたは他の保険会社によって発行されることがあります。

RLSFの契約期間中にRLSFの契約条件を変更することは可能ですか?

はい、一部の契約条件は変更可能です(例:カバー月数の変更、契約期間の短縮)。ただし、これらの変更はATIDIによる審査次第であり、変更に伴うすべての費用(法務費用、信用状発行銀行の取引手数料等)はプロジェクト会社が負担する必要があります。

RLSFはATIDIが有するPreferred Creditor Status (PCS)の恩恵を受けられますか?

はい、ホスト国による債務不履行のリスクをカバーするすべての保険と同様に、RLSFはPCSの恩恵を、すべてのATIDI加盟国において受けることができます。

プロジェクト会社がRLSFに基づいて請求を行った際、どのような流れとなりますか?

保険金が支払われると、ATIDIは優先債権者として財務省を通じてオフテイカーからの回収を積極的に行う役割を担います。支払い日から12か月以内(フェーズ1の場合)、または支払い日から6か月以内(フェーズ2の場合)に回収された金額は、SBLCまたはATIDIの流動性支援契約を自動補完します。これらの期間を超えて回収された場合の補完は、ATIDIの裁量によって決定されます。

信用状(LC)またはATIDI流動性支援契約はどの通貨で発行できますか?

RLSFは、電力購入契約(PPA)に記載された通貨に合わせて発行することが可能です。

IPPにとって、信用状(LC)/RLSFにかかる費用はいくらですか?

IPPは、Non-Binding Indicationに示されたすべての費用(ATIDIにより提示されたアベイラビリティ・フィー、コミットメント・フィー、請求手数料、法務費用)を支払う責任を負います。

IPPはRLSFの利用または申請について政府やオフテイカーに開示する必要がありますか?

はい、IPPによる申告に加えて、ATIDIは取引成立前にホスト国の財務省に対して「異議なし」との承認を求める書簡を送付します。

複数の信用状(LC)が同時に請求された場合、RLSFの設定枠が不足するリスクはありますか?

いいえ、発行される信用状(LC)の総額がRLSFの設定枠を超えることはありません。各SBLCまたはATIDI流動性支援契約は、担保によって支えられています。

SBLCまたはATIDI流動性支援契約に対して、年間手数料以外に追加費用が発生する可能性はありますか?

はい、ATIDIはデューデリジェンス費用や法務費用を請求する権利を有しており、これらの費用はSBLCまたはATIDI流動性支援契約の発行前にIPPが前払いする必要があります。

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